目次
印象に残ったこと
ビフィズス菌は乳酸菌の一種。乳酸菌は糖を分解して乳酸を生成する菌の仲間。
ヒトの腸内で優勢になる乳酸菌はビフィズス菌のみ。
腸は消化吸収を担う小腸と排泄を担う大腸に分かれる。
胃でどろどろにされた食べ物の栄養素は小腸で分解され、粘膜から取り込まれていくが、一緒に入ってきた病原菌を排除しないと感染症を起こす。
小腸には体内で働いている白血球の60%が集まっているので免疫の中心は小腸と言っても過言ではない。
腸内細菌のような微生物がエサ(消化吸収できなかった栄養素)を分解する過程は発酵と腐敗に分かれる。
オリゴ糖はビフィズス菌のエサになる少糖類。
砂糖は二糖類で腸内で単糖にすぐに分解されるが,オリゴ糖は摂取しても消化吸収されないのでビフィズス菌のエサになる。
生きた乳酸菌よりもオリゴ糖の方がビフィズス菌が増加する。
シロップ状の甘味料は安いが、その分オリゴ糖の含有量が30%程度。効果が感じられない人はオリゴ糖を100%含有した粉末状のサプリを試すといい。腐敗はタンパク質が分解されることで起きる。腐敗し、腸内環境が悪化し、便秘や下痢、有害物質が血液を通じて体内に運ばれて肌荒れなどが起きやすくなる。
腸内環境を善玉菌*1が優位な状態にしておかないと細胞の老化が進み、がんやアレルギーなどの引き金になる。
善玉菌が全体の2割に達すると良好な健康状態が保てる。
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7。ビフィズス菌は乳酸の他に酢酸も生成する。酢酸は殺菌作用があり、悪玉菌の増殖を抑える。
食物酢に含まれる酢酸は大腸に届く前に吸収されるので腸内環境を調えるためには役立たない。発酵食品を日常的に摂っていれば腸内でビフィズス菌が増殖しやすくなる。
ナットウキナーゼは血栓を融解する働きがあり、腸内の乳酸菌を増殖させる働きもあるので善玉菌の一種。
加齢とともに悪玉菌が増える。
粉ミルクで育った赤ちゃんと母乳で育った赤ちゃんの便を比べると、母乳で育った赤ちゃんの方がビフィズス菌の数がはるかに多い。
母乳は栄養補給にとどまらず腸を健康にする要素もある。自衛隊のレンジャー部隊で働く若者の便を調べたところ、2週間のハードな訓練を受けると健康的な腸内フローラが悪玉菌優勢に変わった。(ストレスが原因)
腸管免疫を刺激し、健康状態を高めるには菌の数が大事。
ビフィズス菌だったり、生きた菌にこだわる必要はない。免疫活性は摂取される乳酸菌の数に左右されるのでアレルギーを改善したい人はサプリメントなどで乳酸菌を大量に摂取することもおすすめ。
ビオフェルミンのように生きた菌のみを含有させた乳酸菌生剤は菌の数があまり多くないが安価なので選択肢の1つ。マウスの実験では腸内腐敗を阻止するのは乳酸菌そのものではなく、乳酸菌が生成する物質(菌体成分)。
著者の研究で高血圧のラットに殺菌酸乳を与えると高血圧が抑制された。
この研究をカルピスが引き継ぎ殺菌酸乳に含まれるタンパク質(ラクトトリペプチド)が血圧降下作用に関与していることを突き止めた。腸内フローラを整え、腸管免疫を高めれば免疫系、神経系、内分泌系のトライアングルがスムーズに動き、体全体が元気になる。
消化が促進されると自律神経のアンバランスは改善される。自律神経のバランスが整うと血圧や血糖も安定する。
著者は毎朝ヨーグルトを250~350g、抗酸化力の高いブルーベリー、良質なタンパク源であるきな粉、ビタミンCのサプリメント、天然の食物繊維であるサイリウム(オオバコ)のサプリメントを摂っている。
乳酸菌は自分に合ったものを毎日摂取すること。
肉類に含まれる動物性タンパク質は悪玉菌のエサになり、腸内腐敗をうながす。
牛肉のような血の多い肉類にはミオシンというタンパク質が多く含まれるのでミオシンが少ない豚や鶏肉がおすすめ。魚に含まれるタンパク質は腐敗を起こさない。栄養機能食品は含有成分が国の規格基準を満たしている場合に表示が許可される。
機能性表示食品とは論文などの科学的根拠を示せば、国の審査なしに事業者の責任において、健康の効用を表示できる。
トクホは国がエビデンスを審査承認することで表示が許可されるが、コストがかかりすぎるので参入できるのは資金力のあるメーカーに偏ってしまう。
消費者はこれらの表示がすべてでないことも知るべき。プロバイオティクス=生きた菌(キムチ、ヨーグルト、ビオフェルミンなど)。プレバイオティクス=小腸で分解吸収されない、ビフィズス菌の増殖を促す食物繊維やオリゴ糖。
健康な人ほど便の量が多い=菌の数が多い。
下痢の原因は刺激物を摂取(乳糖不耐症。発酵食品であるチーズ、バター、ヨーグルトは乳糖が分解されている。)、腸粘膜の病変、自律神経の障害。
おならは血液中に取り込めなかった腸内ガス。
現代医学は生命が共生によって存在しているという事実を見失っている。悪いものを排除すれば善いものが残るのではなく絶妙なバランスで生命は保たれている。
人も環境によって生き方が左右されることはあるが、悪い環境に置かれていてもすべての人が悪玉菌化するとは限らない。
自分の意思や信念をしっかり持っている人は腐敗した環境の中でも踏みとどまり、悪いことに手を染めない。
人は意識して善玉菌になれる。人はそれぞれ容姿も性格も能力も生まれた時代も環境も違う。
それは生まれながらに与えられたものであり、運命として素直に受け入れ生きていくしかない。
不平等や不公平を感じることがあってもそれに耐え、自分の個性を活かし、他人の個性を尊重し、将来の夢に向かってまっすぐ生きていく。
それこそが人生であり、大事な生き方である。
雑感
素晴らしい本だった。
ノーベル生理学医学賞を受賞した本庶佑さんの著書にも終わりに哲学的な人生論が書かれていたが、この著者である光岡さんも同様のこと(上の箇条書きの32,33番)を書いていて非常に感銘を受けた。
生命のしくみは真理なのでそれに従った方がいいと思う。
著者の光岡さんは90代だが、滑舌もしっかりしているので生き字引として説得力が増す。
7.15年前くらいからオリゴ糖はいいと言われている。
俺はオリゴ糖を試したけどあまり効果の実感がなかった。シロップじゃダメかも。
オリゴ糖はキャベツなどの野菜にも少量含まれているらしい。
15.腸を健康にするために母乳を飲まざるを得ない!!
16.どんなに健康でもストレスがあると腸内環境が悪化するんだろうな。ストレスマネジメントも身に着けないと。
これは本庶先生の言ってることが参考になる。
不安感の不在という幸福感は麻痺しない。欲望充足型の幸福感だけに頼るのではなく、不安除去型の幸福感により重点を移して不安感受回路の閾値を上げるようにして幸福感を味わうことが生物学的に合理的である。
17.ビフィズス菌であるとか生きた菌であるかどうかよりも乳酸菌の数の方が重要らしい。
一方で生きた菌の方が死んだ菌よりいい影響を与えるという説を唱える医師もいる。
カゴメのラブレはあえてトクホを取っていないそうです。
ラブレも個人的にあまり効果が感じられなかったが、しばらく試して飲んでみますわ。
20.アミールですね。自分は12月から箱買いして試してます。
3月の健康診断で血圧が下がってなかったらフェイクということで。
あくまでマウスの実験レベルなんでね。
22.自分は自律神経失調状態だが、まさに高血圧、高血糖である。
腸内環境を良くして自律神経のバランスをトリモロス!
23、24.俺がいつも愛用しているビヒダスヨーグルトは400g。
1日400g食べている。
きな粉とサイリウムを取り入れます!
26.まあ、トクホだからとか何g入っているからというのはナンセンスだよね。 結局、自分に効果があればそれが一番いい。
27.韓国人は肌がきれいと言われるが、キムチの影響もやはりあるのではないだろうか?
31~33.生命の真理だよね。これに従って生きた方が人生は楽になる。
自分も家庭が貧しいとかしょうもないことを嘆いていたけど、自分の人生は自分で切り開くことが大事だよね。
貧乏な家に生まれたからとか、
いま貧乏で学校にいけないからといって悲観することはない。
貧乏するとはじめて人間の本当の喜びや悲しみがわかると思う。
by本田宗一郎
追記 2021/4/8
アミールを昨年12月末から飲み続けていましたが、血圧は下がりませんでした。
*1:善玉菌:糖をエサにして増殖する=発酵。悪玉菌:タンパク質をエサにして増殖する=腐敗