マネーの虎で有名になった南原社長の「予測思考 市場を先読みする11のスキル」を読みました。
目次
印象に残ったこと
予測思考は手持ちの情報を上手に加工して、ざっくりと概算するという技術、また流行や衰退のタイミングを上手に見つける思考を意味している。
現在の市場規模を知っておくことはビジネスの鉄則。不況でビジネスも飽和状態にあっては未来の市場規模を誰よりも早く予測し、おいしい市場に先乗りする。技術の変化が生活の変化にどう影響するかを見極める。
2割車の走行距離が減る、2割燃費が上がる→その結果、ガソリンを入れる回数が減るだろうと考える。0.8×0.8=0.64でガソリンが4割近く売れなくなる。
電気自動車が今後登場する。エンジンを積んでない分*1、価格を抑えることができ、部品もガソリン車の3分の1で済む。誰でもモーターさえ手に入れることができれば、自動車を作ることができる時代になる。上海ではガソリンスクーターは販売禁止で電気スクーターしか乗ることができなくなっている。
南原社長が借金から復活できたのはちょっとだけ未来が見えたから。無理な未来予測はしない。いかにブレの幅の少ない係数を組み込んで計算できるか考える。人口動態の統計数字は確実に未来を測ることができる。 人は必ず死を迎えるので時代が変わろうとも棺桶は売れる。死に至る部分の介護、医療、葬儀、心理カウンセリングなど多数のビジネスが考えられる。
山で道を見失った時には沢を見つけろと言われる。沢は必ずふもとへ向かっているから。道に迷ってパニックになっているとこんなことも思い出せず、うろうろ歩き回って、体力を使い果たして遭難してしまう。 発注が遅れた、クライアントからクレームが来た、納期が間に合わないという事態にパニックを起こしてジタバタしていては事態の解決はできないし、致命的な失敗になる。最初にしなければならないのは自分のいる場所の確認。納期に間に合わない時に、犯人捜しをしていても状況は好転しない。まずは納期に間に合わせるにはどうしたらいいか、今の状態を把握することが必要。
予測する時に地価の動きをよく見る。M&Aをする時に必要な情報となるので地価を比較し、変動を見ている。土地の価格変動だけでなく、成約率の変動に目を向けているとミニバブルの兆しが読める。
経済効果と言われる金額がわかったとして、直接関係のある人はどのくらいいるのか?南原社長は経済効果をグロスの金額(総額)ではなく、影響がどこにどれだけあるか考える。
テレビコマーシャルは視聴率1%(関東地区だと40万人)に対して安いもので15秒10万円、ゴールデンタイムになると15秒200万円と言われる。
ツイッターの影響で新聞や本を読む時間なんてなくなってしまう。それに時間を取られてしまっていては無駄ものでしかない。必要な時に気になるつぶやきだけを追いかければいい。
ビジネスの盛衰を予測するにはライフスタイルがどう変化するか具体的に想像する。メリットを奪われて強みをなくすビジネスを考える。購買者の持ち時間を奪われるビジネスを考える。
通勤1時間半は往復で3時間。約250日仕事をしているとすると3時間×250日×35年で26250時間=2.99年通勤をしている。しかし、睡眠時間を8時間と仮定すると1日に活動している時間は16時間。これを加味して換算すると4.49年になる。35年通勤すると約5年電車の中にいる。*2 5年間もあったら大学に通える。資格取得も5年もあればある程度の物は身につく。成功する人はこういう時間を生み出すことができる。時間がないと嘆いている人は時間を作っていないだけ。
コンビニが流行るのは結婚しない人が増えたから。 増える結婚しない人と増えるコンビニはお互い作用し合うことでビジネスは拡大する。お互いに影響しあって増加する事象を見つけることで拡大スパイラルビジネスを発見できる。
多くの会社でコストダウンが叫ばれているが、自社の利益を出すことを目的にしていては差がつかない。お客様に価値を提供するために本当に必要なコストかという視点が重要。
会社は公器と言われるが、社会に求められる器を持ってこそ会社。社会に還元することなく自社の利益追求をしているばかりでは公器とは呼べない。
ヤナセが1600万円でベンツを売っていた時に、適正価格1000万円と広告を出した。南原社長はこれが適正価格だと思っていた。
ガリバーで80万円で買い取りをされた車は磨いて100万円でオークションに出される。それを中古車販売業者が競り落とす。車を陸送、駐車場代、照明、洗車、保険、人件費、中古車雑誌への広告費などで1台に10~20万と経費がかかる。100万円で買ってきた中古車には経費、中古車屋の利益を乗せて販売価格を決める。売り手の一方的な都合で価格を上げるのはお客様にとっては迷惑でしかない。
消費税は企業が売買をするとかかってくる。個人取引であれば消費税はかかってこない。それならば、個人取引をマッチングさせるビジネスをすれば客は消費税に関係なく売買することができる。そこで投入したのがAT-1。
http://www.at-one.co.jp/車を売る人は高く売りたいが、売れ足が鈍ると在庫を抱える可能性が高まる。利益を確保した上で安くすることができれば売れる車の回転もよくなる。
いつまでもよい状況は続かない。引き時は儲かっているときに限る。手を引く時は損を覚悟して最小の傷で終わらせることが秘訣。
ジョージタウン大学のクライン教授が編み出した国力の計算式は国力=(人口+経済力+防衛力)×(戦略+意志)。南原社長の国力の公式は国力=人口×軍備力×経済力。日本は人口が減っているし、軍備力を増やせない。日本は経済力を伸ばしていくしかないが、経済力を伸ばすには人口が欠かせない。
世界の経済の中心は中国からインドへ移る。中国の隆盛を好まない欧米圏が英語圏のインドに加勢する。
子供手当は一人目はなし、2,3人目となったら手当を出すようにする。3,4人目になったら手当をどかんと支給する。子供2人では人口は増えない。
南原社長はスカイラインの中古車5万円を15万円で整備塗装したら、30万円で売れた。10万円も儲かったが、これは当時の初任給と同じ。好きなものをいじっていたらビジネスになった。
明日の儲けさえ分からないのに、事業計画書なんて作っても無駄という人は10年経っても、明日の儲けを気にしている生き方をしている。南原社長が夢を実現できた理由は事業計画書を作り、日ごろから予測思考をしていたから。
事業計画書を作る時、最初から精緻なものを作ろうとしない。10年先を見越した長期事業計画書ではなく3年、5年先を想定した中短期事業計画書をおすすめする。
雑感
この本を読むと南原社長がかなり数字に強いということがわかります。
やはり経営者は数字を使っていろいろ仮説を立てていくんだな~と思いました。
2.この記事でも書いたが、縮小する市場で売上を伸ばす工夫ばかりしていると負け組の土俵に埋もれてしまうそうだ。特に頭のいいビジネスマンが陥りがちらしい。
4.電気自動車の台頭で日本の自動車メーカーはやばいとこのブログで何回も指摘しています。
電気自動車はモーターと抵抗器が要で、エンジンと変速機は不要になる。
モーターや抵抗器は中国の中小企業でも製造できるようになると言われている。日本でエンジン、変速機を製造している工場はやばいと思う。
5.日本の人口はどんどん減っていく。穴埋めをするために移民をどんどん受け入れると思う。日本という国で中国の資本家が大量の日本人を雇う時代がマジで来ると思っている。
6.これは精神論に使えそう。自分は結構パニックになるし、最近も悩んでいたが、今の状態を把握して、今できることに集中するようにするのが大事かなと思った。ひたすら現状を嘆いても仕方がない。
8.俺もシンクタンクなどが出す経済効果は意味がないと思っている。
9.10.視聴率10%で1200万人らしい。
11.与沢翼も言っていたが、ツイッターやフェイスブックのフィードを見るのは時間の無駄。
13.やはり成功者はこういう発想で時間をつくっているんだな~と思った。時間がないというのは本当に言い訳だ。
22.日本経済をよくするには明らかに若い人たちに投資するべきなんだが、有権者の平均年齢が53歳なので政治家はやらない。
人口が減ったら市場が縮むのに国や企業は自分で自分の首を絞めている。
将来に投資する余裕もないんじゃないかな?w
25.このように手当てはメリハリをつけた方がいいと思う。これならば3人目を作ろうというインセンティブになる。
ちなみにマネーの虎で一番好きだったのはがなり社長でした。
「もし失敗したらAV業界に来てください」は強烈だったw
嫌いだった虎は謙虚ライオンこと小林社長だった。
あいつは人を怒鳴りすぎ。ドキュメントも観たけど、完全にパワハラ。
当時のサラリーマンどもがこの番組を見て感化されていたかと思うとぞっとするw
飲食はマジでブラックだな。
関連動画
堀之内社長は女好きだけど、南原社長も女好きだろw