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【書評】社交不安障害 (理解と改善のためのプログラム)

【書評】社交不安障害 (理解と改善のためのプログラム)

社交不安障害 (理解と改善のためのプログラム)
岡田 尊司
幻冬舎 (2019-01-30)
売り上げランキング: 16,863

印象に残ったこと

  1. 社交不安障害の治療法はいろいろ巷にあふれているが、どの方法を使うにしろ一部の人しかよくならないのが現実。

  2. 心理的虐待を受けた人は社交不安障害を発症しやすい上、通常の認知行動療法や薬物反応に反応しにくい。

  3. 認知療法は思い込みが激しくない時は有効だが、笑われたり怒られたりする恐怖に取りつかれているような人では理屈でわかっても、実際行動するとなるとやはり無理だということになってしまう。理屈や根拠をいくらあげたところで不合理な恐怖をねじ伏せることは困難。
    不安になるか否かで頑張るのではなく、うまくいこうがいくまいが、笑われようが喝采されようが、聴衆の反応ではなく、自分が伝えたい思いの方に集中する考え方を身につける。

  4. 社交不安障害を抱えていても、回避性の強まった消極的な生き方に陥らない。そのために自分の可能性ややりたいことを諦める必要はない。自分のやりたいこと、やらねばならないことをやるというのがこの障害を克服する上で最も重要。

  5. 回避してしまうのは身体に刻み込まれた不安や恐怖心のため。不安や恐怖心は脳の奥にある扁桃体に刻み込まれた強い情動反応。そのため理性のコントロールが利きにくく、逃げてはダメだと思っても不安に取りつかれると身体が拒否してしまう。

  6. 不安や恐怖心を取り除くために最も有効なのは、実際に行動して恐れていることに慣れること。そうした方法はエクスポージャー(暴露療法)と呼ばれ、社交不安障害のもっとも効果的な治療法。

  7. 脱感作とは感作(過敏な状態になること)された状態を脱すること。この敏感さを取り去る脱感作方法は段階的に負荷を強めて、徐々に慣れを起こすことと、実際の負荷より強い負荷を与えることによって感受性の限界設定をいきなり変えてしまうこと。

  8. エクスポージャーの実践。7割位の確率で実行できそうな行動を週2,3回取り組む。毎回行動を開始する前の恐怖レベルと終わった後の恐怖レベルを数字で記録する。

  9. エクスポージャーとして使える行動例。おしゃべりや会食が苦手な場合、「同僚に1日3回以上話しかけ、雑談をする。」異性といると緊張してしまう場合、「異性の教師から英会話を学ぶ」「異性のマッサージ師にマッサージしてもらう」「異性の香りのする香水を部屋に撒く」

  10. エクスポージャーができなかったら代わりに行う自分を叱咤する行動(罰則的行動)をやる。例「家族全員の皿洗い、便所掃除、洗濯物畳み」「ゲームやスマホ、ネットを断つ」「スクワットや腹筋をする」「英語の勉強を2時間する」

  11. 自分に起きている反応(感情や行動)を認識するとともに、それを引き起こしている思考(認知)に気づき、それらを客観視できるようにする。不安な状況やそれを回避してしまう状況が起きた時にどういう思考が働いてそのように反応したかその都度記録する。

  12. 不安を超越する思考=「不安になろうがなるまいが~しよう」「うまくいこうがいくまいが~しよう」。根拠ある合理的思考=「~なので心配する必要はない」「~なので自信を持って~するだけ」

  13. 精神分析と異なり、精神現象や病理を精神医学的な概念を用いて客観的に説明・理解しようとする学問が精神病理学ヤスパースが発展させた。対人恐怖の根底には不完全さが暴かれることへの恐怖があるというのが精神病理学者たちの見解。

  14. 森田正馬神経症を治す極意は、症状など放っておいて、自分のすべきことをすることだと悟った。患者にも症状を理由にやるべきことを避けていては決して回復しないと伝えていた。

  15. 森田は症状は仕方ないと受け入れ、それに逆らわず放っておきなさいと言う。抵抗しないということは、自然現象に対して従順になるということ。天気と同じような自然現象として受け止めて、それを何とかしようとしない。

  16. 森田は逆説的治療という方法をよく用いていた。これは本人が恐れている症状をもっと頻繁にもっと強く出すように義務付ける。例えば、鍵を5,6回確認しないと気がすまない患者には20回確認するように指示した。もっと発作を起こすように言われると、強迫行為をすることがバカバカしくなってやりたくなくなったり、発作が起きなくなったりする。

  17. 囚われを除去するエクササイズ。「僕は人前で失敗して、恥をかくのが怖い」というフレーズを20回声に出す。力強く声を出せるようになると恐怖の呪縛を弱めることができる。

  18. 時間を進めるエクササイズ。今の状況のまま回避し続けて3年経った時、あなたはどうしているか想像する。10年経った時も想像する。「10年後も~しているのは嫌だ。僕は~したい」というフレーズを5回発声する。

  19. パニックへの対処として視野を広くとる。顔を起こして、ゆっくり周囲を見渡すようにする。相手の反応や周囲の状況を観察するように目を動かし、しっかり見ることを意識しながら行動すると冷静さを保ちやすい。逆に今の苦しみや不安にばかり注意を取られ、周囲を見られなくなるのは悪い反応。

  20. 社交不安障害の人は見られている自分という意識が強すぎる。見られているという意識が自分らしくふるまう自由を奪っている。この呪縛を解くためには「見られている自分」という意識と結びついた「低い評価(笑われる、けなされる、期待を裏切ること)」を打破する必要がある。見られている自分を見ている自分へ、評価するのは他人ではなく自分という視点への転換が必要。

  21. パニックになっている時は呼吸を整える。過呼吸は血液中の二酸化炭素濃度を低下させる。血液は二酸化炭素によって軽度の酸性に保たれているので、二酸化炭素が減ってしまうとアルカリ性になってしまう。その結果、息苦しさやしびれといった異変を感じ、余計に不安を強め、冷静な思考を保てなくなる。

  22. 過呼吸は吸いすぎる事によって起きるので吐くことを意識する。口ではなく鼻で止まるくらいゆっくりと呼吸する。吸い込んだ時に呼吸を止めると、二酸化炭素の分圧を上げることに繋がり、落ち着きを助ける。

  23. パニックの時に「落ち着け。よく周りを見て。ゆっくり動いて。ゆっくり呼吸して」という具合に自分に指示を出す。

  24. 自律神経はコントロールできないと思いがちだが、実際には行動すること、刺激を与えることでコントロールできる。(冷たい水を飲むなど)

雑感

3. 5年通っている精神科では医師が認知療法を意識して面談していたそうだが、自分は思い込みが強いためにあまり効果はない。

8,9,10. エクスポージャーは実践したいと思います。

バイトで同僚に挨拶をするから始めよう。性感マッサージを受けようと常々思っているw

17,18のエクササイズは散歩中にこれから声に出してやるかな。

19,22,23. バイトでかなり緊張して過呼吸になりがちなので周りを見渡したり、呼吸をゆっくりするのも実践したい。

21.緊張した時の汗が臭いのはこういうことだろうな。アルカリ性になる=アンモニア濃度が高くなるということでそれが臭い汗になる。これからバイトで緊張してきたらゆっくり鼻から息を吐こう。