【書評】年金だけでも暮らせます
印象に残ったこと
生活保護者の半分以上が65歳以上の高齢者。
老後を年金だけで暮らす勝ち組は、正確な情報を得て、現行制度を活用し、出費を最低限に抑えて、現金を減らさないことを徹底しているだけ。定年後に破綻している人はムダなことをしている。
夫が40年会社に勤めて厚生年金に加入してその間の手取り収入が34.8万円、妻が40年専業主婦だったケースだと年金の支給額は月21万円。実際に年金を受け取っている夫婦の平均額は月20万円。
今40歳以下の人は給付額が減ることは確実なので今から節制と貯金を意識する。
国民年金は年収122万円以下だと全額免除の対象になる。40年間国民年金を払った人の年金額は年額77万円だが、40年全額免除で1円も保険料を払っていない人でも年額38万円もらえる。
月収が18万円くらいならば、国民年金は半額免除になる。そうすると将来もらえる年金額は年58万円。
身体に支障なく、健康に動ける平均的な年齢である平均寿命は男性72.14歳、女性は74.79歳。(厚労省H28)
老齢厚生年金では年金と給料の合計が28万円を超えると、年金は一部カットされる。
60歳以上の高齢世帯の貯金額の中央値は1639万円。
食べざかりの子供がいる4人家族で月平均の食費は4万円~6万円。しかし、総務省の家計調査では高齢者二人で月6万円になっている。調査対象者も比較的余裕があって優雅な老後を送っている人が協力しがちなので高めになる。
銀行、保険会社、FPなどの専門家は数字だけを見て、型通りの提案しかしないので真に受けない方がいい。お金を払って相談する時は弁護士の30分5000円を相場にする。
マイナス資産が多い人はプラスの資産を取り崩してマイナスを減らす。プラスの資産がない人はマイナスをいつまでにどう減らすか計画をたてる。例えば、ローンを抱えているならば、今あるプラス資産を取り崩して、金利が高いローンから返済していく。「100万円のカードローンを2年以内に利息も含めて返すためには、月々4万5000円ずつ返済する」といった具体的な数字を出す。
自動販売機での飲み物は1日1回何気なく買うだけで月に3000円以上、年間にすれば4万円近い出費になる。サラリーマンの小遣いが月3万円と言われている。
保険とはみんなでお金を出し合い、不幸な目にあった人がお金をもらう助け合いの不幸くじ。お金がある人、いざという時に困らない人はわざわざ保険に入る必要はない。
生命保険は2つの保障が対象。死んだ時にもらえる死亡保障と病気になって入院したらお金がもらえる医療保障。
男性の2人に1人は84歳まで生きている。
貯蓄型保険は契約したときの運用利回りで最後まで運用される。
日本では18歳未満の子供がいれば、夫婦のどちらかが亡くなると遺族年金が支給される。
子供を大学に行かせると1人1000万円かかる。
大手術をしてもすぐ退院したら保険金はそれほどもらえない。
三大疾病特約(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)がついていても対象外のケースがある。皮膚がん、上皮内がんは外れるケースが多い。心筋梗塞も60日以上働けない状況が続かないと保険が出ないケースがある。
貯蓄性のある保険の場合、1万円の保険料を払うとそこから手数料を取られるので、なかなか預けた1万円にならない。
保障が同じならば安い方がいい。値段の違いは保険会社の経費の上乗せ分。
素人を騙す「分散投資」「長期投資」「積立投資」。
日本では金の現物は為替に左右されやすく、売買手数料が高すぎるのであまり投資向けではない。
長期投資は売る側にとって都合がいい。値下がりしても客を説得できる。
iDeCoは毎月の掛金は全額所得控除になる。運用中の利益も非課税。所得税を払っていない専業主婦がiDeCoに入っても節税すべき所得税を支払っていないのでお得でない。
iDeCoは60歳にならないと引き出せない。自営業者は積立額が全額所得控除になる小規模企業共済のほうがいい。
iDeCoは口座開設時に最低2777円、運用期間中は維持管理料を払わないといけない。これだけの手数料を払ってiDeCoのほとんど金利のつかない定期預金をやるのは馬鹿。
NISAは少額の投資を行うための非課税制度。つみたてNISAは投資の上限額が40万円で最大20年間非課税で運用できる。投資対象は金融庁が定めた基準を満たす投資信託とETFのみ。積立なので途中で別の商品にするには売却しないといけない。つみたてNISAは損益通算ができない。
ドルコスト平均法は馬鹿げた買い方。
2017年の自己破産数は約7万人で2年連続で増加している。自己破産ペースが早まっている原因の1つに銀行の過剰貸付がある。
銀行のカードローンの審査をしている保証会社の多くは消費者金融。アコムは三菱UFJ、プロミスは三井住友。系列に消費者金融を持っていない銀行でも保証会社として消費者金融と提携している。
多くの銀行は資産の運用先がないので、わざわざ手数料を払って預金を日本銀行に預けている。
介護に実際にかかった費用は1人平均で547万円。
要介護5の寝たきりの方が36万円の介護サービスを受けたとしても、介護保険を使えば、普通の収入の人は1割負担で済む。また収入によって自己負担の上限額がある。
高額療養費制度では世帯合算ができる。同じ健康保険に加入している家族ならば、自己負担額を合算して高額療養費制度を使える。
厚生労働省の調査によると退院患者の平均在院日数は31.9日。がん患者は20日で退院している。
老後にかかる医療費は2人で300万円用意しておけば十分。
介護費用は2人で1100万円、医療費は300万円なので老後のために1500万円は取っておく。
貯金はできるだけ早く始めて無理はしない。月2万円、ボーナス5万円(年2回)の貯金を30年続けたら軽く1000万円を超える。
2025年には看護師余り、2040年には医師余りの時代になる。そうすると働く場所のない看護師や医師が介護の現場で働くことになる。
いかなる危機に直面しても生き抜くために必要なことは「生涯のパートナー」と「働く意欲」
雑感
国が老後に2000万円蓄えが必要と言っていたけど、そんなに必要ないことがわかった。
保険、投資もやはりムダだと思った。
保険はいざという時に役に立たない。母親が自分のために入っていた生命保険は入院2日以上だったために粉砕骨折で手術・入院した時は1泊だったので下りなかった。
投資信託をやっていたことがあるが、手数料を考えたらそんなに得しないだろと思ってやめた。
投資で儲けている人なんてごく僅かだし、リーマンショックの時に大損してアルバイトをする羽目になった定年退職者も実際に目の当たりにした。
会計士もiDeCoはおすすめしないと言ってたし。
インデックス投資をしていれば必ず儲かると思っている人は多分損をすると思うw
愚直に老後に必要な750万円くらい貯めておく必要があると思った。ただ、お墓とか他にも色々お金がかかるよね。実際はもっと必要だろうから1000万円は欲しいかも。
この本には節約も具体的に書かれていたが、自分は食費、本代以外はかなり質素にしているのでこれ以上節約したらQOLが下がる。
質素に暮らしていたからこそ収入が少なくても今まで生きてこれた。
2015年~2016年はジム(月7000円くらい)に通っていたり、年1で東京に行ったりしていたせいか、バイト先の社員に金を持っているだろと言われた。それ以外にお金を使っていなかっただけなんだけどね。
しかし、2017年からキャッシングに手を出してしまったせいで金銭感覚が狂った。
今年の夏までに借金を完済して、貯金フェーズに入りたい。
今の自分だったら100万円貯金があるだけで経済的不安が軽減される気がする。
今後はコンビニ弁当を買わない、サプリメントは厳選する、本は必要になったら買うことを意識して支出を減らしたい。
今年は東京行きは無理かな。眉毛カットはしたいので行くとしても日帰りかな。
追記 2021/1/30
葬儀代は結構かかります。200万円じゃ足らないでしょう。