【書評】ビジネスエリートになるための 教養としての投資
印象に残ったこと
ビジネスの現場において、理論なんてものはクソみたいなもので、実際の現場の動きを肌で知らなければならない。
情報は大量にインプットするよりも考えることの方が大事。
情報量が増えれば増えるほど、人間は考えなくなる。
最近、SNSやニュースアプリで流れてくるインフルエンサーの言葉を鵜呑みにする人が多いが、自分の頭で考えることを放棄している。PERやPBRなどの数値はあくまで過去のものであり、未来を語っていないので、その数値だけで投資判断を下すのは危険。投資の教科書で語られているPERやPBRの見方をそのまま用いると投資に失敗する恐れがある。
一株あたり純利益が30円の会社の株価が600円だとしたら、PER=株価÷1株あたり純利益=600円÷30円=20倍。
今の利益水準が変わらなければ、投資した元本を回収するのに20年かかる。(=投資回収期間)
株式益利回りは30円÷600円=5%。
この会社が30円の純利益を出し続ければ、その投資家は5%の利回りを得られる。将来的に利益を増やし続けることができない企業はどんなにPERが低くても長期投資には向かない。PERだけ見て割高か割安か判断はできない。
借入金などの負債が小さいことを財務レバレッジが低いという。
2人以上世帯の平均金融資産保有額()は中央値:20代220万円(165万円)、30代640万円(355万円)、40代880万円(550万円)、50代1574万円(1000万円)、60代2203万円(1200万円)、70代以上1978万円(1100万円)
年収300万円だと月に1.5万~2万円くらいは資産形成に回せる。
日本の外食産業の大半は上場ゴールなので利益の増加は期待できない。
それなのに、株主優待がお得だからという理由で会社を選んでいる人は長期投資に向いていない。
株主優待を出すということは会社の価値を切り売りしているに過ぎない。身の丈以上に配当を出すのも同様。利益が横ばいならば配当や株主優待は将来的に価値を下げる。インデックスファンドを1989年に買って30年以上保有した人は全く収益が得られていない。
S&P500のようなインデックスは選んでもよいが、日本株のインデックスを選ぶのは論外。
雑感
PERなどの指標を示したり、株主優待を薦めたりする本が多いよね。
配当と株主優待(金券など)を合わせて実質利回りと語っている人には大変違和感を感じていた。
積立で長期投資すれば資産が増えると盲目的に信じている人が多いけど、それは危険だと思う。
この記事にも将来、利益が得られる企業の株価は上がると書かれている。