【書評】払ってはいけない 荻原博子

- 作者:荻原 博子
- 発売日: 2018/10/16
- メディア: 新書
印象に残ったこと
調剤技術料は薬局によって料金が違う。院内薬局が一番安い。
まとめ買いすると節約の気持ちが緩む。たくさんあるとたくさん使ってしまいがち。在庫管理ができないとゴミ化する可能性もある。
カードポイントは気にしてはいけない。ポイントカードは店側が囲い込むためのツール。
頻繁に行く店ならともかく、それほど買い物しないような店のポイントカードを持っていても結局はポイントはたまらない。型落ち商品は値引きされやすい。車も決算時期に安くなる傾向がある。(多くが3月末、9月末)
節約をするならばお金だけでなく時間の節約も考えるべき。家庭菜園で野菜を作ると食費の節約になるが、手間がかかる。最安値を狙っていろいろなスーパーをハシゴすることになる。
節約の極意は1回の見直しでずっと続いて大きな効果が得られること。(例:生命保険の見直し、電気のアンペアの見直し、水筒を持参して自販機で飲み物を買わない、コンビニに行かない)
贈与税は年間110万円までは無税。
日銀がマイナス金利政策を始めた当時の当座預金残高は約270兆円。ところが、減るどころか2018年5月時点で390兆円と増えている。
銀行が生き残る方法は少しでも利率の高いカードローンやマンション投資に力を入れる,
イチかバチかで利益が高そうな所で勝負する、
手数料を様々な所で稼ぐ。
現実にやるのが手数料を取ること。銀行は投資する人が儲かっても損しても手数料を得られるのでノーリスクで儲けられる。企業が土地の売り手にまわり、一人っ子が増えて空き家が急増。老朽化も進むのでマイホームは今後資産にならない。
厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料は原則として4月、5月、6月の給料の平均をベースとして決まる。4~6月に残業すると社会保険料も高くなる。
生命保険は基本の保障は2つ。1つは死亡した時に死亡保険金が出る保障。もう1つは病気で入院した時に給付金が出るという保障。
30歳の男性が50歳まで保険に入るとして、死亡保険金2000万円と5000万円のものを比較。
20年間の払込差額は約84万円。30歳の男性が50歳までに死ねば5000万円の方が多く保険金を受け取れるが、50歳までに死ななければ、84万円多く保険料を払うことになる。厚生労働省の簡易生命表によると50歳までに死ぬ確率は男性で約3%。死亡保険金2000万円 死亡保険金5000万円 月々の保険料 約2600円 約6100円 月15万円程度の遺族年金があれば家族3人で生きていけるかも。
夫だけでなく妻が死んでも子供がいれば遺族年金は出る。夫や妻が幼い子供を残して他界したら子供が18歳になるまで月15万円前後の遺族年金が出る。2014年4月から夫に養われている妻にも死んだら遺族年金が出る。持病があっても入れる保険は保険料が高い。60歳からこの手の保険に入ろうとすると安いネット保険でも1日1万円の入院給付金を得たいとすると、月の保険料は1万3000円くらいかかる。
70歳以上で年収156万円~370万円の人は高額療養費制度を使うと月の負担額の上限は5万7600円。年収80万円~156万円だと上限は月2万4600円。
老後2人で200万円前後の蓄えがあれば、医療費はだいたい間に合う。
高度先進医療を医療保険に付加すると特約保険料は月100円程度で最高2000万円保障してくれる。しかし、みんなから100円程度の保険料を集めて2000万円もの治療の保障ができるということはほとんどの人が使っていない特約ということ。
疾病特約はあまり使えない。三大疾病特約は3つの病気ににかかったらお金が出るということではない。
がんでも皮膚がん、子宮頸がん、食堂上皮内がんなどは保証対象でない規約のものが多い。
脳卒中ではくも膜下出血、脳内出血、脳梗塞と診断された場合に限る。 心筋梗塞は急性の狭心症と診断されても、医者が診断してから60日以上まともに働けない状況が続いていないとだめ。預金は1万円預けるとそこに利息がつくので元本割れはないが、保険は1万円の保険料を払うと払った保険料の中から保障の代金と保険会社の手数料が引かれて残りが1%で運用されていくので払った1万円がなかなか1万円に戻らない。
預金だと金利が上がれば預金金利も上がっていく可能性があるが、保険の場合には加入時の運用利回りが最後まで適用される。(変額タイプを除く)学資保険は入ったら損する。学資保険に限らず保険で貯金すると損をする時代になっている。30年前は5.5%だった運用利回りが今はすでに1%前後にまで下がってきている。
どれだけ手数料が引かれるかは一概には言えないが、貯蓄性のある終身保険に1万円の保険料を支払うとそこから保障と経費の代金が2000円引かれ、残りの8000円が年1%で運用されていくというイメージ。1%の運用だと20年経っても払い込んだ額(1万円×12ヶ月×20年=240万円)にはならない。(もちろんその間に死ねば死亡保険金がもらえるが)
保険で貯金はナンセンス。保険で投資はリスクが増えるのでなおさらナンセンス。保険が必要ならば必要額を掛け捨てで確保しよう。
離婚を切り出すのは6割強が妻側から。
離婚してもらえる可能性があるお金は財産分与、慰謝料、養育費、年金分割。
財産分与できるのは夫婦が結婚後に築いた財産。結婚前の各自の財産は対象外。結婚後でも妻の親が亡くなって妻が相続した財産は財産分与の対象にならない。慰謝料の相場は浮気で300万円。性格の不一致でもらうのは難しい。
養育費は夫の年収が500万円だとすると、子供1人につき月4~6万円というケースが多い。子供が2人だと2倍ではなく2人で6~8万円が多い。離婚の9割は協議離婚なので養育費を払わなくなる夫も多い。
離れて住む親への仕送り額の平均は6万4000円。(2006年内閣府調査)
相続争いの家庭裁判所での平均審理期間は約1年。1000万円以下の相続で争っているというケースが32%。
デフレは物の値段が下がるので1万円のモノが翌年には9500円になること。
つまり1万円に1年で500円の利息がついたと同じ。貨幣価値が上がっているのがデフレ。
デフレ脱却はまだ先なのでデフレの中で価値がある現金をしっかり持っていた方がいい。
煽られて投資に手を出すより借金を返す。マンション投資は持ち出しが多くて思ったほど儲からない。
バブル期に某大手信託銀行が日本人に売り出していたニューヨークの4500万円のマンションはニューヨークで買ったら800万円程度のものだった。
3年の家賃保証がついて、保証額が月25万円。
家賃は8万円程度の物件なのに25万円の家賃保証をつけているが、800万円のものを4500万円で売って3700万円も儲けているので3年間空室で家賃保証900万円持ち出したとしても2800円の利益が残るという算段。不動産は老朽化するので持っているうちに確実に価値が目減りする投資商品。
個人年金は契約時に約束した年金が支払われる従来型と変動型がある。
従来型は契約時の利率が低いと老後までほとんど増えない。デフレ脱却したら実質的に目減りする。
変動型も運用手数料が高いので目減りする可能性が高い。
例えば1000万円預けたとして運用で増えもせず減りもせず30年経つと1000万円は500万円以下になる。(30年間,運用手数料を含めた3%前後の手数料を払い続けないといけないから) 個人年金をするならば今ある借金を返したほうがいい。今の日本株式市場は官製相場。この相場を支えているのは公的資金と海外投資家。公的資金が株を売り始めたという話が出るとみんな一斉に売り出すので公的資金は売るに売れない。
株は失っても良いお金でギャンブルをするつもりで。
2018年9月の日経平均は2万3000円。30年前は3万8000円なので4割目減りしている。一方、1年前は約2万円だったので1年前に買った人は1割以上増えている。
30年の長期投資では損をしているが、1年の短期投資では儲けている人がいる。長期投資は安心と思うのは幻想。毎月分配型投信は年3%の信託報酬を支払い、さらに分配金を毎月出さないとならないとなれば、最低でも確実に毎年5%以上の運用をしないと増えない。
アベノミクスが始まってから450兆円近いお金が日銀から銀行に流れたが、貸し出しできない銀行はやむを得ず日銀の当座預金に390兆円も預けている。
銀行は預金を投資に振り向けようと必死。預金は銀行にとってリスク商品。
銀行で見かけるのが定期預金と投資信託や外国債券がセットになり、定期預金が年率1%以上というもの。
小さな文字で3ヶ月もの自動継続方式、初回適用金利と書かれている。
これは3ヶ月毎に自動的に見直される定期預金で最初の3ヶ月だけは1%の金利がついていくということ。
3ヶ月なので利息は1年の4分の1。
年間1万円の利息ならばその4分の1は2500円。ここから20%の税金が引かれるので手取り利息は2000円ほど。
この定期預金をするためには同額の投資信託を購入しないといけない。100万円を定期預金に預けたら100万円分の投資信託を買わないといけない。銀行は年間返済額が年収の30~35%までは貸す。これはとりっぱぐれなく貸せる額。銀行は人柄や家族事情を読み取って提案してない。
お金は貸した方より借りた方が立場は強い。銀行は自己破産されると打つ手がなくなるので恐れている。
佐川元国税庁長官、福田淳一元事務次官で大騒ぎした2018年4月に財務省がドサクサに紛れて「年金支給年齢を65歳から68歳に引き上げる」ことを財務省の諮問機関に提案した。
年金は60歳からもらい始めると0.5%×12ヶ月×5年で65歳からもらい始めるより30%支給額が減る。
65歳で10万円もらえる人が60歳からもらい始めると7万円に減る。
76歳以上生きれば65歳からもらっておいた方が得。
70歳からもらい始めると0.7%×12ヶ月×5年で42%支給額が増える。
65歳で10万円もらう人ならば70歳からもらえば14万2000円もらえる。
81歳以上生きれば70歳からもらった方が良かったことになる。住宅ローンで3500万円を1.5%で35年借りるとすると約1000万円の利息を払うことになる。繰り上げ返済すると返済期間が1年位短縮されることもあるので投資するよりも返済をした方がお得。
雑感
1.これは知らなかった・・・。 確認したら院内薬局は14点請求されていた。
門前薬局は120点くらいで、杏林堂は70点請求していた・・・。
杏林堂はポイントがつくからお得と思ったら大間違いだな。
3.↓この記事にもポイントはどんどん使っていかないと損と書かれていました。
自分はポイントなんぞ気にしてません。
4.季節外の商品も安くなりますね。
ユニクロで狙ってますw
6.電気のアンペアは結構大きいです。自分の家は他の家庭よりアンペアが低いおかげか電気代は月に5,6千円です。その代わり、エアコンを複数使ったりするとブレーカーが落ちますw
バイト先に水筒を持参していますが、肉体労働+対人恐怖のおかげでストレスがたまるため水分が足りなくなって自販で買う羽目になってます・・・。
13,14.生命保険だが、身内が亡くなって思ったのが70歳でも元気ハツラツな人は不要。
70歳まで元気に生きていればあとは貯金と年金で余生を過ごせると思う。
15.実際に遺族厚生年金の請求を先日しました。
月13万円くらいもらえますね。
18.健康でいたら医療費ってかからないよね。
健康でいることが最大の節約かも。
20.生命保険はこういうのが結構ある。
自分もバイクで転倒して足の甲を粉砕骨折して1泊2日の入院をしたが、2泊以上の入院じゃないと保険金は下りないと言われた。
バイク保険のアクサダイレクト様は骨折の診断書を提出したら30万円も支給してくれたのに。
35.
現状の急激な株高には注意が必要である。
背景にあるのは、世界的な金融緩和と財政出動による金余りだ。低金利による運用難の中、株式市場に投資資金が流れ込んでおり、東京市場の売買金額の約7割は外国人投資家が占めている。
日本銀行による上場投資信託(ETF)の大量の買い入れが、健全な相場形成を阻害しているとの指摘も根強い。
株価3万円台 経済の実態を反映していない : 社説 : 読売新聞オンライン
2021/02/17
36.ある程度まとまったお金じゃないと株は儲けられないと言われているので貯めてから株式投資をしようかなと思っていたが、最近は少額でスプーン一杯分のリスクを取るというノリでやろうかなと思っていた。 10万円以下で買える株をとりあえず買って実際に試したい。
37.最近、インデックス投資が流行りで長期でやればリターンがかなり期待できると言われているが、こういう例があるので眉唾ものですね。 塩漬けで当然儲けられるわけないだろ!
42.日本の法律では差し押さえる財産がない場合、借金を返済しなくても罰せられないです。
2ちゃんねる創始者のひろゆきがその論理で賠償金を払ってないですよね。
44.70歳からもらうにしても生きるのは残り10年くらいだろ。
60歳でさっさともらってもいいかも。