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印象に残ったこと
欠品があっても会社は潰れないが、過剰在庫は会社を潰す。
在庫を放置すると、お金を払って仕入れた商品が売上に結びついて現金になって戻ってくるのに余計に時間がかかったり、最悪な場合は売上に結びつかずにいつまでも倉庫に寝ている。黒字倒産の原因は資金繰りの失敗と購入した在庫が現金に変わらないこと。
在庫はギャップを埋めるためにある。ギャップは量のギャップと時期のギャップがある。
生産や仕入れ部門担当者の評価項目には生産や仕入れの単価が入っていることが多いため、担当者は単価を安くしようとまとめ買いしがち。まとめ買いすることは在庫リスクを増大させる。
在庫を増やすと作業効率が落ちる。(通路などに商品が置かれて邪魔になったり、必要以上に保管スペースを持って探すのに時間がかかるなど)
整理整頓しておけば、自分の作業を早くするだけでなく、他の人が探し物をしてムダな時間を過ごしたり、誰かの探し物を手伝うムダもなくすことができる。
持っていて売れないのであれば、滞留に気づいた時点で処分することが在庫保管に関わるコストを最小にするために最良の方法。
在庫が多いことは営業利益を減らす要因になる。
経営状態は利益率だけでは判断できない。
在庫管理は金額ではなく量でする。社長が在庫を3割減らすと言った時、社長の頭にあるのは在庫の合計を金額でだいたい捉えたものである。しかし、1個10万円の商品Aが1つしかなくても10万円分の在庫があることになる。1個100円の商品Bが100個あっても1万円の在庫しかない。このような状況では商品Aの在庫を3割減らすことはできないので在庫管理に必要な数値は在庫金額ではなく在庫の量である必要がある。
在庫回転期間(月数)=12÷年間在庫回転率。在庫回転率の裏返しで小さい方がいい。在庫回転月数が1以下ということは売上に対して1ヶ月以下の在庫で回転させているということ。
在庫量÷1日あたりの平均出荷量(売れ行き)=○日分は「今の出荷状況が続くならば、今の在庫であと○日分ある」ことを意味する。(例:在庫が5000個あって1日あたりの出荷量が1000個の場合、今持っている在庫は5日分に該当する。)
ROA(Return On Assets総資産利益率)=利益÷総資本(総資産)。企業の総資産がどれだけ有効活用されているか。在庫管理でROAは改善される。
ABC分析は売上貢献度の高い商品は絶対に欠品させてはならないからB,Cは低いレベルの管理しかしないということではない。BがAになることもある。
交差比率は在庫している商品がどの程度利益を生み出しているか見るもの。
安全在庫=安全係数×標準偏差×√リードタイム日数。
安全係数はどれくらいの欠品まで許容できるかによって決まる。
欠品率を2%以下に抑えたい時のサービス率は98%で安全係数は2.06。
標準偏差は日別の出荷量がどれだけばらついているかという意味の値。
ばらつきが大きいと標準偏差が大きくなる*3。
ばらつきが大きいと求められる安全在庫も多くなる。わかっている未来には指数を使う。季節変動には季節指数を使う。
在庫管理の際、見えない場所を作らない。
ブルウィップ効果=市場のちょっとした動きがサプライチェーンの中を伝わるうちにどんどん増幅されてしまうこと。例:市場の実需は3個なのに小売店がもっと売れるかもと思って多めに注文すると、問屋やメーカーも多めに用意する。
雑感
非常に参考になった。
移動平均や安全在庫は実際に使いたい。
俺の実践が理論的に正しいかを確かめたいし、正社員に理論的な数字を示したい。
在庫を増やせば売上が上がると言っている奴がいるから恐ろしい。