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【書評】議論の極意 紀藤正樹

目次

印象に残ったこと

  1. カルトは違法行為もしくは反社会的な活動を繰り返しを行う団体。

  2. 返報性の心理を悪用する人は「何かしらの施しを受けたら返さなくてはいけない」という心理を利用し、先に何かを与えることで行動をコントロールしようとする。

  3. なぜ評価だけでは議論が成り立たないかというと、そこには理屈がないから。理屈は意見の核となるもので意見に説得力を持たせる理由付けとなるもの。

  4. けしからんなどという評価だけで理屈がなければ、議論は成り立たない。意見を言う時は好き嫌いの前に良い悪いを意識することが大事。

  5. 意見とはある事実を自分の価値観で評価し、そこに理屈を伴わせた言葉。価値観は事実に対する評価で、理屈とは意見の理由。

  6. 理屈を伴わない価値観は単なる評価。「好き嫌い」「けしからん」と同じ。価値観を伴わない理屈は単なる屁理屈。

  7. 相手が話している内容から相手が注目している事実や価値観、知識量を推し量っていく。 そして、意見の異なる人の場合は価値観を共有していないので慎重に話を進めていく必要がある。

  8. 相手の価値観を知るために相手に多く話してもらうように心がける。

  9. 大前提小前提を入れると結論が出る。

  10. 弁護士が裁判で行う弁論も基本は三段論法。 三段論法が破綻している弁論は整合性が取れていないため、大きな失点となる。
    裁判官を説得できず、相手方の弁護士や検事に突っ込まれる事態を招き、裁判に負ける可能性を一気に高める。

  11. 納得できない結論に反論する方法
    1.例外的事情を取り込む
    2.大前提を動かす

  12. 大前提に小前提を入れると結論が出るという論理の構造上、おかしな結論の背景には必ずおかしな大前提がある。

  13. 今まで経験したことのなかった理不尽な小前提(新しい事実)が大きなきっかけとなって、裁判官の価値観を変え、既存の法律が違憲無効とされ、大前提が覆されることがある。

  14. 不完全な三段論法に注意する
    1.論理が飛躍している
    (1)大前提も小前提も誤りではないけれども両者の掛け合わせに無理があるため、あまりにも突飛で誤った結論に至っている
    2.大前提が間違っている
    (2)大前提が間違っているために、たとえ正しい小前提を入れても誤った結論を導いてしまうタイプ

  15. 法律の基本構造も三段論法。条文大前提とする三段論法。

  16. 人を殺したという事実が同じでも故意か過失かという事実によって適用する条文が変わり、それによって判決が大きく変わる

  17. 人の三段論法を読み解く際はその逆で、結論と小前提から大前提を類推することになる。
    相手の頭の中にある大前提を小前提と結論から逆算する。

  18. 会話で大前提、小前提、結論さらには両者の対立ポイント合意形成ポイントを考える。

  19. 大前提が対立の原因となっている場合、価値観において譲歩すれば合意できる。

  20. 大前提は同じで小前提が異なっている時は事実関係をすり合わせて合意に導く。

  21. 議論とは意見の応酬。意見とは価値観を背景とした理屈。大前提がおかしいと感じたら見落としている事実がないか考える。

  22. 事実の存在は多数決で決まらない

  23. 法律の条文自体は論理的に中立であり大前提。 判決・結論はどの条文を採用するのかという大前提がまず決まれば、その条文に投げ入れる事実によって結論が変わるだけ。
    そこで弁護士はなるべく、依頼者の利益にかなうように、条文に投げ入れる事実を検討する。
    良い弁護士ほど事実の探求と調査に熱心に取り組む。

  24. 弁護士としてこうした事実を探求する能力、事実を把握し、依頼者や関係者から聴取する能力、裏づけを取るなどの事実を調査する能力、そして集めてきた事実をさらに分かりやすく書面に作成する能力が最低限必要であり、弁護士の能力の差はこのような点にある。

  25. 事実を伝える順序を変えるだけで相手に与える印象が変わる。

  26. 議論において 論理の希釈をしてはいけない 。
    論理の希釈とは 、その人の論理に反論するのではなく別の論点を提示することで論点をすり替え、元々の論理自体の正当性を低めることで議論から逃げること。
    「それはあなたの主観ですよね」というのはその典型例。あなたは分かってないという反論もダメ。

  27. 特殊な事例をあたかも 一般的であるかのように提示してはいけない。特殊事例を拡大解釈しない。

  28. 目で見て耳で聞いたことを頭に入れるよりも読んだことを頭に入れる方が圧倒的に時間的効率がよく、習得しやすい。動画よりも本を読む方が時間効率がいい。

雑感

テレビによく出る弁護士が書いた本。

橋下徹をテレビで論破していた記憶が。

三段論法は有名。

実際の交渉などでは大前提、小前提、結論以外に対立ポイントを洗い出して合意形成に持っていくというのは勉強になった。

ひろゆき論点ずらし論点のすりかえとよく言われていたような。

西村博之

↓この本では「あなたの意見じゃないですか?」という反論を紹介していたが。

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