How Google Works
印象に残ったこと
ラリーとセルゲイはグーグルを幾つかのシンプルな原則に基づいて経営していたが、そのうちもっとも重要なのが「ユーザーを中心に考えること」だった。最高のサービスを生み出せば、お金は後からついてくると信じていたのだ。
いまや企業の成功にもっとも重要な要素はプロダクトの優位性になった。情報の管理能力でも、流通チャネルの支配力でも、圧倒的なマーケティング力でもない。
「古い世界では持てる時間の30%を優れたプロダクトの開発に、70%をそれがどれほど素晴らしいプロダクトか吹聴してまわるのに充てていた。それが新たな世界では逆転した」byジェフ・ベゾス
本当に情熱的な人間は情熱という言葉を軽々に口にしない。情熱家はそれを表に出さない。
能力が生まれつき決まっていると考える人は状況がどれほど変化しようと、ひたすらその能力を誇示しようとする。だが、しなやかなマインドセットの持ち主は努力すれば自分の持ち味とする能力を変えたり、新たな能力を開花させることができると考える。自分の能力が変わらないと考えていると、その自己イメージを維持するために「到達目標」を設定する。一方、しなやかなマインドセットの持ち主は「学習目標」を設定する。学ぶこと自体が目標になると、くだらない質問をしたり、答えを間違えたりしたら自分がバカに見えるのではないかなどと悩んだりせず、リスクを取るようになる。
サラー・カマンガーはマーケティング部門の若手社員の優秀さに感心し、APM(アソシエイトプロダクトマネージャー)制度に登用したいと主張した。だが、その若手社員はAPMの条件であるコンピュータ科学の学位を持っていなかった。サラーはこの社員はプログラミングを独学で学び、「エンジニアと緊密に連携して、プロダクトを出した経験もある」と訴えたが、ジョナサンをはじめとする複数の幹部が絞りを広げることを頑なとして拒み、登用は認められなかった。ケビン・シストロムというこの若手社員はその後グーグルを退社し、インスタグラムの共同創業者となった。
下位10%の社員を解雇し、代わりに新規採用者を迎え入れて、組織全体のパフォーマンスは改善するならば、そのような質の低い社員を合格させてしまった採用プロセスを見直し、改善する方法を検討した方がいい。 他人をクビにするのが好きな人には注意した方がいい。解雇は恐怖の文化を醸成し、それは間違いなく組織を蝕む。「できない奴は首にすればいい」と言うのは、採用プロセスの適正化に十分な時間をかけない言い訳にすぎない。
キャリアの出発点で一番大切なのは正しい業界を選ぶこと。なぜなら長いキャリア人生の中では何度か転職する可能性が高いが、別の業界に移るのはとても難しいからだ。業界はサーフィンする場所、企業は波だ。大きな成長が見込めるのはインターネット企業の他にエネルギー、製薬、ハイテク製造業、広告、メディア、エンタテインメント、家電なども有望。
「目的地がどこかわからない時は注意した方がいい。おそらくそこにはたどり着けないから」byヨギ・ベラ
インターネットの世紀で最高に魅力的な仕事には必ず統計学が必要になる。
「個人にとって間違いのない選択肢は値下がりしているモノと補完性のある分野で専門性を磨くことだ」byハル・バリアン
ビル・ゲイツとポール・アレンは半導体とコンピュータの価格が低下し、コンピューティングの未来を握るのはソフトウェアになることを見ぬいた上でマイクロソフトを創業した。チャド・ハーレイはビデオカメラと回線容量とストレージの価格下落によって動画エンタテインメントのあり方が変わることを見通し、YouTubeを創業した。仕事で海外に出ることができない場合は旅をしよう。そして海外に出かけたら世界をあなたの顧客の目で見てみよう。
「生まれ変わったら付きたい仕事」に近く、それでいて現在のキャリアパスからでも手の届く「五年後の理想の仕事」を考え、ゴールに設定してみよう。
雑感
アメリカのベストセラーが日本にやってくるけど、それらは総じて冗長。個人的にもっと短くできるだろうと思うことがしばしば。文化の違いなのかな?
優れたプロダクトをつくるのに専門家にはやはり勝てないのかなと思ったけど、インスタグラムの創業者の話があったので、専門家じゃなくても優れたプロダクトは作れるんだなと感じた。
俺もいい商品だったら営業は必要がないというスタンスなので納得。世の中には大したものを作ってない口だけのペテン師が多い気がしてならない。
キャリアだが、正しい業界と「生まれ変わったら付きたい仕事」に近く、それでいて現在のキャリアパスからでも手の届く「五年後の理想の仕事」を考えたい。